一戸建ての買い方と住宅ローンの借り方(建売住宅編)

一戸建てを購入するには物件の種類に応じていくつかの方法があり、それぞれに住宅ローンの借り方が異なります。今回は建売住宅の買い方と住宅ローンの借り方を考えてみましょう。

●土地と建物を一緒に買う建売住宅

新築一戸建てを手に入れるには、「土地と建物を一緒に買う」方法と、「土地を買って建物を建てる」方法の、大きく分けて2つの方法があります。このうち前者を「建売住宅」または「土地付き一戸建て」などと呼ぶのです。
建売住宅はすでに建っている一戸建てを買うのが原則なので、設備仕様や日当たりなどを実物でチェックでき、すぐに入居もできます。なかには建物が未完成の状態で販売されているケースもありますが、間取りを変更することは一般的にできません。せいぜい壁紙の種類などを選べる場合がある程度です。

●郊外型ニュータウンは現地で販売

建売住宅を買う方法にもいくつかのパターンがあります。郊外型のニュータウンなどでまとまった数の建売住宅を分譲するケースでは、新築マンションのように現地に販売センターを設けるのが一般的です。情報誌やチラシ、ネットなどで販売情報を見つけたら、現地に見に行けばいいのです。
この場合、売主の不動産会社が直接販売を手がけるケースもありますが、販売会社に販売を委託するケースもよくあります。いずれにしろ、買う人が仲介手数料を支払う必要はありません。

●都市部では仲介会社を介するケースが多い

一方、都市部など古くから住宅地が形成されたエリアで1棟~数棟の建売住宅を販売する場合は、地元の不動産会社が扱っているケースが一般的です。この場合、不動産会社が売主であるケースもありますが、売主ではなく仲介会社であることも少なくありません。どちらにしても広告などで物件を見つけたら、まず扱っている不動産会社に問い合わせることからスタートします。
不動産会社がその物件の売主であれば後述する仲介手数料はかかりませんが、仲介会社の場合は手数料がかかるので注意してください。その会社が売主か仲介(媒介)かは、広告などに記載されているので事前に確認しておきましょう。

●住宅ローンは土地・建物を一緒に借りる

建売住宅を買う場合、住宅ローンは土地分と建物分を同時に借りることになります。売買契約と同時に金融機関に住宅ローンを申し込み、住宅の引き渡しを受けるときに融資を実行してもらうのです。
民間金融機関の住宅ローンでは価格の100%や諸費用も含めた額を貸してくれるケースもありますが、住宅金融支援機構と民間が提携するフラット35は価格の90%が上限です。借入額が大きいと返済額が増えてしまうので、頭金(自己資金)を2割以上用意し、住宅ローンは価格の8割以内とするのが理想です。

●購入時の諸費用は価格の7~8%程度

住宅を買うときにかかるお金は物件価格だけではありません。税金や住宅ローン費用のほか、仲介会社を介する場合は仲介手数料もかかります。それらを合計すると、建売住宅の場合は価格の7~8%程度かかるのが一般的です。
この購入時の諸費用は原則として自己資金から支払うことになります。頭金を2割用意するとすれば、諸費用との合計で27~28%。住宅の価格が4000万円なら、自己資金で1100万円前後を支払う計算です。

建築基準法の改正で住まいの安全度がアップ

この6月に建築基準法が改正され、構造計算のチェックが厳しくなりました。これから家を買う人にどんなメリットがあるのか、改正内容を少し詳しく見ていきましょう。

マンション

●第三者機関が建物の構造計算をチェック

一戸建てやマンションなどの住宅をはじめ、ビルや学校などあらゆる建物を建てるときは、建築基準法という法律を守らなければなりません。建物を建てる前に建築主事という行政機関か、民間の確認検査機関に設計図を提出して、法律に違反していないかどうかをチェックしてもらいます。これが建築確認と呼ばれる手続きです。

6月20日に改正された建築基準法では、一定規模以上の建物の基礎や柱、梁などの構造部分について、設計に不可欠な「構造計算」を第三者機関が改めてチェックするルールを定めました。一定規模以上というのは、「高さが13mまたは軒の高さが9mを超える木造の建築物」「高さが20mを超える鉄筋コンクリート造などの建築物」などです。

第三者機関とは都道府県知事が指定する構造計算適合性判定機関のことで、構造計算適合性判定員という専門家が構造計算に誤りや違反などがないかをチェックする仕組みです。

■構造計算適合判定の流れ

構造計算適合判定の流れ

●建築士への規制を強化して建物の安全性を確保

これまでの建築確認手続きでも設計図がチェックされていましたが、構造に関する設計は専門性が高いため十分な確認ができていないのが実態でした。それでも問題が表面化しなかったのは、「建築士は法律を守って設計する」という“性善説”が当たり前とされていたからです。

ところが、先の耐震偽装事件によって、そうした常識が覆されてしまいました。そこで今度は「建築士でもミスや偽装を犯すこともある」との“性悪説”に立って制度の見直しが行われたのです。

法改正ではこのほかにも、違反を犯した建築士などに対する罰則の強化や、処分を受けた建築士や建築士事務所の名前を公表するルールも盛り込まれました。二重・三重の規制強化により、建物の安全性を確保しようというわけです。

●第2・第3の対策も順次スタートされる

今回の改正は耐震偽装対策のいわば第1弾です。第2弾・第3弾の対策もすでに法律が成立しており、順次施行されることになっています。

第2弾では一定の建物について、構造と設備の設計が法律に適合しているかどうかを専門の建築士がチェックすることを義務づけています。また、万が一欠陥や偽装が発覚した場合に購入者などが損害を被らないよう、売主などに保険制度への加入を義務づける内容が第3弾です。

これら一連の対策は建築士や売主などを対象としたものなので、購入者の負担が増えるわけではありません。すでに売主側で安全対策を強化する動きも進んでおり、安心して住宅を買える環境が整いつつあるといえるでしょう。

一戸建てを購入する方法にはいくつか種類がある

家を買うなら一戸建てがよいと考えている人も少なくないでしょう。一戸建てといっても、取得する方法は一通りではありません。まずは購入方法による違いを知っておきましょう。

■物件数が多く選びやすい建売住宅

一戸建てを購入する方法のひとつは、建売住宅を買うというものです。建売住宅とは文字通り、「建てた状態で売っている住宅」のこと。「新築一戸建てを購入する」という場合の多くは、この建売住宅を買うことを指します。すでに建物が建っているので、外観や間取り、日当たりなどを実物で確認できる点がメリットです。買ってすぐに入居できる手軽さもあります。逆に基礎や柱などの骨組みが隠れてしまっているので、きちんと工事されているかどうかを目で見て確かめることが難しくなります。売られている物件数が多いので選びやすい面はありますが、外観や間取りを変えることは基本的にできません。ただし、建物が未完成の状態で売られているケースもあるので、その場合は壁紙の色くらいなら選べる場合もあります。

建売住宅には大きく分けて2つのパターンがあります。一つは既成の住宅地の中に1棟~10棟など比較的少ない数の住宅が売られているパターン。もう一つは郊外のニュータウンなどで10棟前後~数十棟などとまとまった数の物件が売られるパターンです。既成住宅地の場合は土地・建物を所有している売主が直接売る場合もありますが、仲介会社が販売する場合もあります。仲介会社を通して買う場合は仲介手数料が必要です。売主も仲介会社も不動産会社なので見分けがつきにくいのですが、広告をよく見るとどちらの会社かが記載されています。

ニュータウンでも売主が直接販売するケースがありますが、販売会社が販売するパターンも多くなります。この場合、販売会社は仲介ではなく売主の代理という立場になるので仲介手数料はかかりません。

■外観や間取りに希望を盛り込める注文住宅

一戸建てのもう一つの代表的な手に入れ方は、土地を買って注文住宅を建てる方法です。この場合、土地は不動産会社を通じて買いますが、住宅は建設会社に建ててもらいます。土地を探したり建物のプランを考えたりと、手間と時間がかかりますが、外観や間取りに自分たちの希望を盛り込むことができる点が大きなメリットでしょう。工事現場に足を運べば、きちんと工事されているかどうかチェックも可能です。その代わり、建物が完成していないので間取りの使い勝手や日当たりなどが予想と異なる場合もあり得ます。

注文住宅を建ててもらう建設会社も、大きく分けると工務店と住宅メーカーの2つがあります。工務店にもいろいろな規模がありますが、ほとんどは地域に密着した中小の会社です。デザインや品質などを知るにはこれまでの実績を調べる必要があるでしょう。一方、住宅メーカーもデザインや工法は会社によって限定されます。比較的大手の会社が多いのでブランドイメージからくる安心感があるかもしれませんが、宣伝費や人件費が上乗せされる分は工事費が高めになるケースも少なくないようです。

住宅メーカーで建てる場合、設計はそのメーカーが手がけますが、工務店の場合は建築家や建築士事務所に設計を依頼することもできます。建築家に依頼というと費用が高くなるイメージがありますが、著名な建築家ならともかく、通常は事前に予算を伝えればその範囲内で建てられる家を設計してくれるはずです。工務店による工事費の見積もりをチェックしてくれるので、かえってリーズナブルに家を建てられる場合も少なくありません。工事の進行状況をプロの目でチェックしてくれるメリットもあります。

■建築条件付きの土地は建設会社が指定される

一戸建てを手に入れる方法としては、建築条件付きの土地を買うやり方もあります。これは一定の期間内に指定の建設会社と工事請負契約を結ぶことを条件に、土地を買う方法のことです。建設会社を自分で選ぶことはできませんが、土地を買って家を建てるという意味では注文住宅と同じパターンになります。もし期限内に工事の契約が結べなければ土地の契約も白紙に戻り、支払った手付金などは返してもらう決まりです。

ただ、実際には間取りや外観がほぼ決まっていて、設備や内装を多少変えられる程度のケースも少なくないようです。そのようなケースは未完成の建売住宅とあまり変わりません。建築条件付きの土地を買う場合は、建物に自分たちの希望をどの程度盛り込めるのかを事前に確認しておく必要があるでしょう。

なお、建築条件付き土地は建売住宅と同様、売主や仲介会社から買うパターンになります。仲介会社を通じて買う場合、仲介手数料は土地の価格分だけにかかるのが原則です。建物価格も含めて計算されると建売住宅と変わりませんから、その点も注意が必要です。