山本亭

山本亭

葛飾区が誇る観光名所、それが「山本亭」だ。

こちらは、合資会社山本工場(カメラ部品メーカー)の創立者、故山本栄之助氏の自宅だったもの。その建造は古く、大正12年。木造2階建ての建物は、1階が124坪もあり、2階は15坪。当時をほうふつとさせる地下防空壕や土蔵(邸内で一番古い建造物)まで残っており、長屋門は和洋折衷様式のユニークな形をしている。庭園は270坪。縁先の近くには池泉を、背後には緑濃い植え込みと築山を設けて滝を落とすという典型的な「書院庭園」方式が用いられている。

専門家に言わせれば「昭和初期における庭園様式を現在まで残した、稀有の例」となるのだとか。「旧安田邸(豊島園創設者藤田好三郎氏が大正8年建築。文京区千駄木)」や「徳富邸(水俣の文豪、徳富蘇峰が3歳まで住んだ家。別名浜囲倉)」が似通った造りをしているそうで、しばしば対比されるのだとか。

山本亭

その日本庭園の美しさは、広く海外でも有名で、山陰にある「足立美術館」等とともにアメリカの庭園専門雑誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズガーデニング」でとりあげられるほど。ちなみに、同雑誌が実施した「日本庭園ランキング調査」で山本亭は、2004~2007年の4年間連続で第3位にランクインしている。この誌面でも触れているように、“滝が池の最も遠い部分の入江奥に設けられ、庭園に奥行の深さと心地好い滝の音を作り出している”という点や、“限られた池水面をより広く見せる手法として、池の諸方向に入江を設け、池岸を多様に変化せしめている”のが、同庭園の特徴だ。

山本亭

建物のほうは、大正15年から昭和2年頃、東棟の玄関・廊下を改修している。このとき、西棟や蔵前廊下は新築され、二世帯住宅へと変化。ただ、昭和5年に、火災で東棟の湯殿を焼失してしまう。その後、居宅の改修が開始され、鳳凰の間も新築。ほぼ今日の状態と同じになったのだとか。

山本一族は昭和63年(四代目当主)まで居住していたが、その後葛飾区へと所有権が移っており、平成3年4月から一般公開も開始している。

山本亭

見学以外に喫茶も行っており、メニューはコーヒーや甘酒、ぜんざいなど。

おすすめはなんといっても、京都宇治から取り寄せているという「抹茶」。苦みもほどよく、何といっても香りが良い。こちらには「練りきりの和菓子」が付いてくるが、季節の花などを模った繊細で上品なお菓子ばかり。これで、500円はいささか安いかも(コーヒーやジュースにはクッキーが付く)。お運びの人は着物姿で、雰囲気も最高。お天気のいい日は、是非縁側に出て、この抹茶をいただきたいところ。

山本亭
所在地:東京都葛飾区柴又7-19-32
電話番号:03-3657-8577
営業時間:9:00~17:00
定休日:第3火曜日(祝日・休日の場合は直後の平日)、12月の第3火~木曜日 ※年末年始は営業

メニュー例:
お抹茶 (練り切りの和菓子付き)
コーヒー (ごまクッキー付き)
なつかしのラムネ (ごまクッキー付き)
くずきり(白玉添え)<夏メニュー>
ぜんざい(柴漬け付)<冬メニュー>
                         …全品500円
http://www.katsushika-kanko.com/yamamoto/