Vol.2 CUE舞(ダンスサークル)
CUE舞 プロフィール
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のダンスサークル出身の有志が、地域の小学生・中学生を巻き込んで作った市民サークル。2007年に活動を始め、現在では約70名のメンバーを抱えるようになり、活躍の機会も増え始めている。2008年は藤沢市「イルミネーション店頭記念イベント」「フェスタトライアングル」、2009年は茅ケ崎市「大岡越前祭」、慶大SFC「七夕祭」などに参加。2009年12月には初の単独公演「ユメノカタチ」を成功させた。

- 「CUE舞」を立ち上げたのは川﨑さんということですが、どんな思いから始めたのですか?
- 川﨑さん: 私は鳥取県の米子出身なんですが、中学生・高校生の頃に「高知よさこい祭り」へ鳥取代表チームとして行き、踊っていたんです。そのチームは年代も幅広かったですし、学校中心ではなく「地域の中の自分」という感覚があって、すごく学ぶものがありました。大学に進学してからも、勉強よりもダンスサークルが生活の中心だったんですが、サークルがひと段落してしまった時、何か物足りなさを感じたんです。最近は「切れる若者」「うつ病」など、若者の間でいろんな心の病がありますよね。私もそんなワードを高校生の頃から問題に思っていたんですが、“踊ることの楽しさ”と社会との関わりがあれば、それも変わるのではないかと思って。それで、「地域の人たちと一緒に踊れるダンスサークルを作ろう」と友人たちと立ち上げたのが「CUE舞」です。
最初は大学生が中心だったんですが、「ふじさわ三者連携協力者会議」(藤沢市の小中学校・PTA・地域の連携組織)さんの協力などもあって、「フェスタ とらいあんぐる」というイベントに出していただいたり、小学校でメンバー募集のチラシを配布させていただいたりして、子どもたちが集まり始めました。おかげ様で、今は大学生・小中学生合わせて70名以上のチームになっています。

- メンバーの年齢構成と男女比を教えてください
- 青柳さん: 普段の活動は小学1年生から中学1年生までがほとんどですね。公演の時などは高校生も参加してくれます。性別は、どちらかと言えば女の子が多いです。華やかな雰囲気なので、駅の地下なんかで練習をしていると、同じ年代の子どもをもつ保護者の方もよく声をかけてくださいます。そこから輪が広がったり、友達を連れてきてくれたり。いろんな“つながり”でダンス好きの子が集まってくるんです。
湘南台付近の子どもたちが多いので、保護者の方も送迎などを積極的に協力してくださって、楽しくやっています。
- レッスンはどれぐらいの間隔で行いますか?
- 青柳さん: 公演の前の時期には毎週土曜日にやっていますが、そうでない時期は毎月1回ぐらいのペースですね。運営メンバー側の都合もあるので、テストの時期にはレッスンが無かったり(笑)。日程についてはメーリングリストでメンバー全員と保護者に連絡していますが、だいたい土曜日の13時ごろからです。
「ダンスを通して自己表現ができる」というのが「CUE舞」の主義なので、だれでもステージに立てます。レッスンには必ずしも毎回参加できなくても大丈夫ですし、YouTube(ユーチューブ)でダンスの振りを配信しているので、自宅でも練習してもらえます。上手い下手という分け方は一切していないですね。良い作品をみんなで作る、というのも大前提にあるんですが、それよりも、今まで一人でいた子が、ダンスを通じて「楽しさ」を見つけてくれれば嬉しいです。

- 「CUE舞」のダンスはどこで見られるのでしょうか
- 川﨑さん:2009年末に開催した初めての単独公演「ユメノカタチ」がいちばん大きな舞台でした。このときは500人くらいのお客さんに来場していただけました。今年は開催できるかまだわかりませんが、それを目標に進んでいます。
あとは、SFCの学園祭には毎年参加していますし、湘南地域のお祭りやイベントにも時々出演しています。出演情報はホームページからご覧いただければわかると思います。
- 現在はどんな皆さんが運営しているんでしょうか
- 青柳さん: 現役大学生とOB・OGが運営に携わっています。出身大学は慶大(SFC)と日大(六会)が主で、それぞれ各大学のダンスサークルに所属している人も多いのですが、「CUE舞」はまた別物として関わっています。実は普段一緒に踊る大学生メンバー以外にも、振り付けや舞台演出などで関わってくれるメンバーもいるので、大学の輪はもっと広がりますし、社会人の先輩方も多いです。
レッスンの講師も、メンバーの知り合いなどに声をかけて、ボランティアでやっていただいています。現役大学生もいれば、社会人として働きながら、熱心にダンスを続けている方も多いです。講師それぞれがとても個性豊かで面倒見の良い方々なので、子どもたちも楽しんでくれていると思います。僕らとしては、こんなすごい人にタダで教えてもらえるなんて、羨ましすぎる・・・という感じですが(笑)。

- どのように運営をしているんですか?
- 吉見さん:運営はボランティアでなりたっていますね。講師の方も含め、みんなダンスが本当に好きなメンバーばかりですので、ボランティアで参加していただいています。藤沢市にも助成金を頂いていて、それを活用しながら日々の活動をしていますが、公演の時にはホールの費用などそれなりにお金がかかるので、その部分は出演メンバーに若干の負担をいただいたり、チケットを有料にして回収するようにしました。それでも賄えない部分は、湘南台付近のお店や企業に協賛金をお願いしたり、チラシを挟んだり。まさに地域の皆さんの支えあっての「CUE舞」です。
- 子どもたちと関わって、刺激を受けた点などはありますか?
- 青柳さん: 子どもたちと関わる中で学ぶ点はもちろん多いのですが、意外と上の世代との関わりが新鮮でした。演出家や振り付け師の方には社会人の方もいるので、先輩方から教わることは多かったですね。
子どもたちはみんな自己主張が強い子たちなので、「まとまる」という点ではとても難しいんですが、そこをどうまとめるか。指導するにはどう工夫をすればいいのか、という点で苦労しました。結局は褒める時は褒める、指導するときは厳しく。「アメとムチ」なんですけどね(笑)。大学では学べないことを、たくさん勉強させてもらいました。
吉見さん: ダンスを通じて子どもたちはすごく変わります。今まで内気だった子が、積極的に大学生に話し掛けてくれるようになったりと、保護者の方にも、「家で楽しそうにダンスの話をするようになった」など、いろんな声をいただいています。
子どもたちにとって、大学生と一緒にダンスを創るのは貴重な体験でしょうし、学ぶことも多いと思います。もちろん、大学生も子どもたちに刺激されて、いろんなものを吸収しながら頑張っています。
- 最後に、今後の方向性をお聞かせください。
- 川﨑さん: 今までは学生が主体で運営してきたのですが、地域に根付いたチームとなった今、必要なのは地域の力だと思います。ですので、今後は運営サイドも大学生中心から地域の人々主体へとシフトしていきたいと思っています。基本的に4年間しか関われない学生スタッフと、長く見守っていただける地域の目の両方があれば、「CUE舞」は今後もずっと活動できますので。
メンバーも子どもたちだけでなく、湘南台の市民の方々を広く巻き込んだものにしたいですね。「おじいちゃんおばあちゃんもいるCUE舞」が今後の目標です。

未来を明るく照らす子どもたちが、地域の大学生との関わりの中で育てられていく。そんな新しい“コミュニティのありかた”が成功しているのも、快く協力してくれる保護者や地域の人々があってのことだという。温かい社会の輪に囲まれた藤沢の子ども達は、ダンスを通じてさまざまなことを学び、表情豊かで社会性のある大人に育っていくことだろう。
■CUE舞(キューブ)
URL http://www.cue-bu.org/
活動時間 不定期土曜日 13時~
インタビュー

CUE舞 メンバー 川﨑聡美さん
慶大環境情報学部に在学中の2007年、「CUE舞」を立ち上げた中心人物。同大湘南キャンパス(SFC)のストリートダンスサークル「W+I&S」(ドゥブルベ・プラス・アイ・アンド・エス)のOGでもある。現在は同大で非常勤の研究員として働きながら、「CUE舞」のメンバーとしてチーム全体を統率している。

CUE舞 メンバー 青柳修さん
日大物資源科学部(六会キャンパス)で海洋資源を専攻する3年生。中学・高校は剣道一筋だったが大学でストリートダンスに出会い、没頭する。日大のストリートダンスサークル「Dancing Crew EX」メンバー。「CUE舞」には先輩の薦めで大学2年から関わり、ダンスメンバーであると同時に頼れる裏方としても活躍中。

CUE舞 メンバー 吉見和馬さん
日大生物資源科学部(六会キャンパス)で森林資源を専攻する3年生。昔はハンドボール選手だったが同級生の青柳氏に薦められダンスの道へ。「CUE舞」にも同じく大学2年から関わり、ダンスメンバー、スタッフを兼務している。「Dancing Crew EX」メンバー。

はてなブックマークに登録








