マンション・マネー学 マンション価格の「相場」とは?

■価格の主な決定要因は5つ

マンション市場について話を聞くときに、よく「相場が下がっている」とか「このマンションは相場より割安だ」などと耳にします。相場というと一般の購入者にはとっつきにくい感じがするかもしれません。でも、マンションの価格が割高か割安かを判断するには、この「相場」を知っておく必要があります。

相場を理解するには、マンションの価格を左右するものはなにかを頭に入れておくことが重要です。価格の決定要因にはさまざまなものがありますが、主なものは「都心への近さ」「沿線・エリアイメージ」「駅からの近さ」「マンションのグレード」「住戸のスペック」の5つが挙げられるでしょう。

物件の価格を左右する5つの要素
  1. 都心への近さ
    同じ沿線でも都心に近いほど価格は高くなる。ただし、次の「沿線・エリアイメージ」の影響で、都心への距離が同じでも沿線やエリアが違うと相場が異なることも少なくない。
  2. 沿線・エリアイメージ
    沿線やエリアのイメージも価格を左右する。「高級そう」「人気が高い」といったプラスのイメージなら価格が高く、「環境が良くなさそう」「人気が低い」などマイナスイメージが強い場合は価格が低くなりがち。ただし、実際に住んでみるとイメージと違うこともある。
  3. 駅からの近さ
    当然のことながら、駅から近いほど価格は高くなる傾向にある。ただし、あまり駅に近いと環境が騒々しいことも。「駅から歩ける距離の閑静な住宅街」が最も高いケースも。
  4. マンションのグレード
    外観やエントランスの雰囲気、敷地にどの程度の余裕があるか、共用部分にどんな施設が設置されているか、など。グレードが高いほど価格も高くなる。
  5. 住戸のスペック
    専有面積、何階にあるか、角住戸か中住戸か、バルコニーの広さ、建具や内装の仕様など。同じマンション内でも住戸の条件の違いによって価格に差が出る。

■主観に左右されやすい沿線・エリアイメージ

5つの要素のうち特に”くせ者”なのが、主観に左右されやすい沿線・エリアイメージです。「高級なイメージの住宅街がある」「センスのよいお店が多い」といったことで沿線やエリアのイメージがアップすると、土地やマンションの価格にも影響します。

ただし、イメージと住み心地とは必ずしも一致するとは限りません。イメージがあまり良くないとされる場所でも、住んでみると意外と暮らしやすいというケースもあるでしょう。

■5要素がほぼ同じ物件で比較すること

では実際に相場を読むにはどうすればよいかというと、チラシや情報誌、不動産会社の情報などに数多く目を通して、「相場観」を養うことがいちばんの早道です。その際に注意したいのは、5つの要素がほぼ同じ水準の物件同士で価格を比較すること。最寄り駅が同じでも、駅から徒歩圏とバス便の物件とでは価格に差が出るのは当然です。

■「割安」な物件にはそれなりの理由がある

5つの要素が同様の条件なのに価格に差が出る場合は、「割安な」物件のほうになにか理由があるはずです。企業努力でコストの低減に成功したのか、あるいは広告などからは読み取れないマイナス要因があるのか。安いからと飛びつく前に、価格の裏にある事実を突き止めることが大切です。不動産会社に「このA物件は別のB物件に比べて価格が安いけど、なにか理由があるのか」と聞いてみるといいでしょう。理由もなく割安な物件はまずあり得ません。

■買いたい物件を見つけたときが「買い時」!?

最近はマンション価格が下げ止まり気味といわれますが、エリアによっては下落傾向が続いているところもあります。その場合、条件が同じでも遅い時期に売りに出された物件のほうが安いケースもあるでしょう。ただ、そうした価格の動きにばかり気を取られていると、なかなか購入に踏み切れません。今後はバブルが崩壊したときのような価格の急激なダウンは考えにくいともいわれているので、買いたい物件にめぐり合ったときが「買い時」ともいえるのです。

相場を読むときのポイント
  • 5つの要素がほぼ同じ水準の物件同士で比較しよう
  • いわゆる「割安な」物件には理由があるはず
  • 価格の動きに神経質になりすぎると「買い時」を逃すかも
  • 「買いたい」物件が「買える」価格で見つかったときが「買い時」

マンション購入のウソ・ホント(1)マンション本当に“今”が買い?

■都心の地価と固定期間の長い金利が上昇基調に

都心部の地価が上昇に転じつつあります。先に国税庁から発表された路線価によると、全国の 平均路線価は前年比マイナス5.0%で12年連続の下落でしたが、東京都区部では同マイナス1.0%とほぼ横ばい。都内で最も地価の高い中央区銀座5丁目の銀座中央通りでは同8.2%のプラスでした。ほかにも麹町や日本橋、渋谷など都内7カ所の税務署で最高路線価が上昇しています。

今のところ住宅価格が上昇に転じたという明確なデータはありませんが、地価が上がれば住宅価格も上がるのが自然の流れです。また、都心部での地価や住宅価格の上昇は、いずれ周辺部にも波及することでしょう。

一 方、住宅ローン金利も上昇基調となっています。特に上がっているのが固定期間10年以上のタイプ。例えば都市銀行の住宅ローンの10年固定型は1年前の 2003年8月時点では3.25%~3.40%でしたが、2004年8月現在では3.70%~4.05%にアップしています。また、2段階固定タイプの公 庫金利はこの1年間でちょうど1%上昇し、当初10年間が3.00%になっています。

■金利0.5%のアップで300万円の負担増

地価や金利が上昇してくると、当然ながら「マンションを買うなら今しかない」という声が不動産業界あたりから盛んに聞こえてくるようになります。たしかにこの先、マンション価格や金利が上昇を続けるとなると、数字の上からは今買ったほうがトクです。

たとえば金利3%(固定金利と仮定)で3000万円を借りた場合で計算すると(返済期間30年)、毎月返済額は12万6000円台です。

<金利3%で3000万円を借りた場合>

借入額 返済期間 金利 毎月返済額 総返済額
3000万円
30年
3.00%
12万6481円
4553万3160円

ところが購入を少し先に延ばして金利が3.5%になっていたとすると、そのほかの条件が同じでも毎月返済額が8000円以上アップして13万4000円台になります。30年間の総返済額では300万円近い負担増です。

<金利3.5%で3000万円を借りた場合>

借入額
返済期間
金利
毎月返済額
総返済額
3000万円
30年
3.50%
13万4713円
4849万6680円

マンション現地見学のコツ -周辺環境をチェックしよう

■必ず一度は電車で行ってみよう

マンションを現地見学する際には販売センターを訪ねるのが通常ですが、モデルルームの見学だけがすべてで はありません。行き帰りの道のりを利用して、周辺環境もチェックしましょう。手始めに、駅からマンションまでの道のりを歩いてチェックします。週末などに車でまとめてモデルルームを回る人も多いと思いますが、気に入った物件を2度目に訪れるときは電車と徒歩で行くのがお勧めです。

■時間帯を変えて交通事情を確認

最寄り駅からの道のりでは、まず表示どおりの時間で現地にたどり着けるかどうかを調べましょう。広告の表示では実際の歩行ルートを「80m=1分」で計算していますが、信号待ちの時間などは含まれませんし、坂道があったりして実際には余計に時間がかかることも考えられます。また、マンションの敷地のうち駅か ら一番近い場所が基準になっているので、敷地の広い物件の場合は自分の住戸に着くまでさらに数分かかることもあるのです。
同時に、ルート 上の交通事情もチェックしてください。交通量の激しい道路がないか、歩道や信号のない危険な場所がないか、といった点を確認します。交通量は平日の朝夕に多くなるのが一般的なので、できればその時間帯にも歩いてみたいところです。同様に夜の時間帯に歩くと、街灯の少ない暗い道や人通りの少ない通りなどの有 無が分かります。

■近くの学校が学区内とは限らない

現地から学校までの通学路もぜひ歩いておきましょう。交通事情をチェックする のはもちろん、ゲームセンターなど問題のある施設がないかどうか確認します。なお、近くの学校が必ずしも学区内とは限らないケースもあるので、引っ越し後に入学できる学校かどうかも確かめてください。
子どもが小さい場合は、保育園や幼稚園の場所や規模、空きの有無、園庭の様子なども確認しておきます。近くに遊べる公園はあるか、遊具などの管理状態はどうか、実際に子どもが遊んでいるかなども見ておきましょう。

■南隣にどんな高さの建物が建つ可能性があるか

モデルルームを見に行くときには、まだ建物が完成していないことも多いでしょう。そこでマ ンションの周辺をチェックするときは、建物が完成したときを想像しながら見ていくことが大切です。近くに高い建物がある場合は、採光や眺望が遮られることにならないかどうかを確認します。
南側に広い空き地がある場合は、そこにマンションが建てられる可能性もあります。販売担当者が「今のと ころ計画はありません」と答えたとしても、将来のことは分からないのです。今は低層の建物が建っていても、いつ建て替わるかも分かりません。心配な場合は、南隣に規制上ぎりぎりの高さの建物が建った場合にどの程度の影響が出るか、販売担当者に尋ねてみることです。良心的な不動産会社ならそこまで調べてく れていることでしょう。

■スーパーの営業時間や物価もチェック

最寄り駅とマンションとの往復の途中では、銀行や郵便局、役所の出 張所などがあるかどうかも確認します。住宅ローンの窓口や給与振込先となる銀行の支店が近ければ、引き出しや入金などでなにかと便利でしょう。スーパーや商店街などの買い物施設は営業時間や物価などもチェック。いずれも物件の購入を左右するほどではありませんが、入居後の生活をスムーズに始めるためにも役 立ちます。郊外のニュータウンなどでは、買い物施設や学校などが新しくできる計画がないかどうかも聞いてみるといいでしょう。
入居後はずっと住み続けていくことになるわけですから、購入を決めたマンションであれば契約までに何度も現地を訪れてチェックするようにしましょう。

■周辺環境のチェックポイント

駅からマンションまで
表示どおりの時間で現地までたどり着けるか
交通量の激しい大きな通りはないか(平日の朝夕にチェック)
歩道のない道路はないか
信号のない交差点はないか
夜になると暗くなる通りはないか(夜にチェック)
学校からマンションまで
近くの学校は学区内か
通学路の交通は安全か
通学路の途中に教育上問題のある施設はないか
幼稚園・保育園は近くにあるか。空き状況はどうか
近くに公園はあるか、子どもは遊んでいるか
マンションの周辺
騒音や悪臭の原因となる施設はないか
銀行や郵便局などは近くにあるか
買い物施設は近くにあるか
高い建物の日影になっていないか
南側にマンションが建つくらいの大きな空き地はないか

マンション購入入門講座 正しい不動産会社の見分け方

■マンション事業の中心となる分譲会社

マンション選びではマンションそのもののチェックが重要ですが、そのマンションを売っている不動産会社のチェックも欠かせません。
ここで不動産会社と一括りで言いましたが、大きく分けて3タイプあります。 まずひとつが「分譲会社」、いわゆるデベロッパーです。マンション分譲の中心となる事業主であり、売り主でもあります。マンションの仕様や規模、価格などを決めるのは通常はこの分譲会社ですが、なかには施工会社(ゼネコン)まかせというケースもあるようです。

■モデルルームにいるのは販売会社の販売員

分譲会社が販売も担当するケースもありますが、通常は販売を専門に扱う「販売会社」が担当します。モデルルームで接客する担当者はこの販売会社の社員であることが多いのです。販売会社が売り主の子会社であるケースも少なくありません。
このほか、不動産会社には仲介会社という形態もありますが、こちらは中古マンションの売り主と買い主の間に入って売買をまとめることがメインの仕事になります。

モデルルームなどで物件の説明を受けるときは、その担当者がどの会社の人なのかを知っておいたほうがいいでしょう。販売会社の担当者はセールストークには長けていても、物件の設計や性能についてはあまり詳しくないかもしれません。自分の知りたいことに担当者が的確に答えられない場合は、売り主や施工会社の担当者に直接聞いたほうが早い場合もあるはずです。

不動産会社には3つのタイプがある
分譲会社
(売り主)
事業主としてマンション分譲の中心的な役割を果たし、「デベロッパー」とも呼ばれる。売買契約の相手となる売り主でもあるが、購入者とは直接のやりとりをほとんどしないケースも。
販売会社 モデルルームで接客にあたるのは一般的には分譲会社ではなく販売会社だ。販売会社は分譲会社の子会社であるケースも多く、「○○不動産販売」といった社名だったりする。
仲介会社 主に個人が売り主の中古マンションの売買を仲介する。新築マンションを扱うことはあまりないが、ときどき売れ残った住戸を扱っていることも。

■担当者の信用度も見極めよう

不動産会社を見分けるといっても、会社そのものをチェックする方法は限られるので、やはり担当者の態度で判断することが第一でしょう。
ポイントは「誠実に対応してくれるかどうか」に尽きます。早く買うようにあせらせる担当者や、競合するほかのマンションをけなすばかりの担当者はあまり信用できません。ただ困るのは、物件は気に入ったのに担当者が不誠実だという場合です。そんなときは、担当者を変えてもらうよう販売の責任者に交渉してみてください。

こんな不動産会社の担当者には要注意
  • 「早く決めないと売れちゃいますよ」とせかす
  • 競合するマンションをけなしてばかりいる
  • はっきりとした根拠もなく「大丈夫」「心配ない」を連発する
  • 「~でしょう」「~だと思います」と自信なく答える
  • 「頭金ゼロ、キャンペーン金利、35年返済、借り入れの半分がボーナス返済」などの危ない資金計画を勧める

■役所で宅建業者名簿も見てみよう

なお、不動産会社そのものをチェックする方法としては、各都道府県の不動産業担当部署で「宅建業者名簿」を閲覧する方法もあります。
過去に行政指導などを受けている場合は明記されているほか、業務の実績などのデータも確認できます。

業者名簿のチェックポイント
免許証番号 宅地建物取引業者の免許証番号。( )内の数字は営業年数の長さを表す。
営業成績 過去5年間の取引件数や金額が分かる。
商号、代表者、
事務所の所在
たびたび変更している業者は要注意。
取引主任者、従業員 出入りが頻繁な業者は要注意。
資産状況 資本金や財務内容などが分かる。
納税状況 経営状態の目安になる。
行政処分歴 宅建業法違反で過去に行政処分を受けていないか。
業界団体への加入 加入していれば団体によるチェック機能がある程度期待できる。

マンション購入のウソ・ホント(2)「北」「西」向きはやめた方が?

■バルコニーの方角で住み心地が決まる?

マンションのバルコニーがどちらの方角を向いているかは、少なからず住み心地に影響します。同じ マンションで価格と広さも同じなら(実際にはあり得ませんが)、南向きの住戸がほしいとだれもが思うでしょう。販売する側もなるべく南向きが多くなるように建物を設計するわけですが、すべての住戸を南向きにできないケースも少なくありません。東向きならまだイメージがいいのですが、西向きや北向きとなると 人気がイマイチになることも多々あるようです。でも、西向きや北向きは本当に住み心地が良くないのかというと、そうとも限りません。以下、方角ごとのメリット・デメリットを考えてみましょう。

■日照時間が長く暖かい南向き

まず一番人気の南向きですが、言うまでもなく日照時間が長 く暖かいことが好イメージの最大の理由です。欧米人に比べて日当たりを重視するといわれる日本人にとっては憧れの存在でしょう。でも、南向き住戸のメリットといえば日当たりぐらいです。昼間家に人がいないDINKSなどにとっては、同じ広さで価格が高くなる南向き住戸は「宝の持ち腐れ」になるかもしれませ ん。それにいくら南向きでも目の前に高い建物が建っていれば日照は期待できないのです。

■朝日が当たる東向きは良好なイメージ

南 向きに次いでイメージが良いのは東向きです。なぜかというと、朝日が当たるからでしょう。帰りが遅い人でも、朝日が当たる時間には家で身支度をしているこ とが多いですし、なにより日の当たるバルコニーで洗濯物を干すのは気持ちがいいものです。でも、東向きだと午後は日が当たりません。特に日の昇る時間が遅い冬は部屋に日が差す時間も短く、午後は寒くなりがちです。逆に夏の午後は直射日光が避けられるので涼しいのですが。

■西向きは夏の暑さが敬遠されがち

東向きとは逆に午後に日が差す西向きは、「西日が当たる」ということで夏の午後は暑くなるイメージがあ り、敬遠されがちです。逆に午前中は日が差さないので、冬は洗濯物がなかなか乾かないことが不人気の原因かもしれません。でも冬は午後に日が差すので、東向きよりは暖かいことが期待できます。夏の午後の日差しも、上の階のバルコニーが庇の役目を果たすのである程度は防げるでしょう。「夕焼けを見るのが好 き」という人にはお勧めです。

■価格が安いことが北向きの最大のメリット

4つの方角のなかで最も不人気なのが北向きで す。年間を通して日差しが期待できず、北からの冷たい風が吹き込んで寒いイメージが強いのでしょう。でも、マンションの住戸は角住戸や最上階、1階でなければ上下左右をほかの住戸に囲まれているので、一戸建てに比べて冬でも暖かいのが一般的です。躯体のコンクリートは熱を蓄える性質があるので、室内が一度 暖まれば日差しがなくてもそれほど寒くはないはずです。なにより、北向きの住戸はほかの住戸に比べて安いので、同じ予算でも広い家が買えることが最大のメリットと言えます。

■タワーマンションでは方角より眺望が大事

こうしてみていくと、西向きや北向きにもメリットはあるの で、「やめた方がいい」というわけではないでしょう。さらに超高層のタワーマンションの場合は、住戸の向きよりも眺望の方が住み心地や住宅価格に影響します。タワーマンションは建物の4面に住戸が配置されるので、西向きや北向きの住戸も少なくありません。でも高層階の住戸は周りに採光を遮る建物がなく、窓 サッシも広いことが多いので北向きでもけっこう明るいのです。それに高層階では「バルコニーからなにが望めるか」が重要なので、例えば夜景がきれいだったり海の眺めが開けていたりすると、北向きの方が南向きより人気が出ることも珍しくありません。

マンション・マネー学 いくらのマンションが買える?

■頭金は価格の2割以上を用意

マンション選びをスタートさせるには、「自分がいくらのマンションを買えるのか」を知っておく必要があります。予算を度外視して物件を選び、無理な資金計画を組んでしまうと、買ってからの住宅ローンの負担で生活が圧迫されてしまいかねません。

そこでまず、マンションを買うときのお金について考えてみましょう。何千万円もするマンションを買う時、たいていの人は住宅ローンを利用します。ただし、価格の全額をローンでまかなうのではなく、一部は頭金として手持ちのお金(自己資金)から払うのが一般的です。

この頭金は価格の2割以上を用意するのが望ましいとされています。マンション価格が3500万円とすると、その2割で700万円以上の頭金が必要です。2割未満の頭金で買えるケースもありますが、その分ローンの返済が重くなります。

■税金やローン借入費用などの諸費用も必要

では、2割の頭金だけあればいいかというと、そうではありません。マンションの購入には各種税金やローン借入費用などの「諸費用」が別途発生します。この諸費用は原則として住宅ローンでは借りられないので、自己資金から捻出しなければなりません。 新築マンションの諸費用は価格の3%~5%が目安といわれているので、頭金と合わせて最低でも価格の23%~25%の自己資金が必要になります。3500万円のマンションなら、800万円~900万円といったところです。

頭金と諸費用は自己資金で用意するのが原則ですが、預貯金などをすべて使い切るのは不安が残ります。数カ月分の生活費に加え、引越し費用や家具の購入予算などを手元に残しておければ安心でしょう。

■「借りられる額」がわかれば「買える額」もわかる

買える額を考えるときには自己資金も考慮する必要がありますが、なんといっても大きいのはローンの借入額です。要するに、「いくら借りられるか」がわかれば、買える価格もわかるのです。買える価格がわかれば、そこから必要な頭金や諸費用も計算できます。

買える価格は「いくら借りられるか」で決まる
借りられる金額

万円
÷8= 買える価格

万円
買える価格

万円
×0.2= 必要な頭金

万円
買える価格

万円
×0.03~0.05= 必要な諸費用

万円

自己資金から頭金や諸費用を捻出するのが難しければ、予算を下げるか、親からの援助などで調達するかのどちらかです。

■「返せる額」から「借りられる額」を計算

では、借りられる額をどうやって計算するかというと、「返せる金額」と「年収」の2通りから計算する方法があります。まず現在払っている家賃や住宅購入のために積み立てている金額などから、毎月とボーナス時に返せる金額を求め、そこから借りられる額を逆算するのがひとつめの方法です。

一から計算するのはややこしいので、早見表で目安になる額を見つけましょう。例えば毎月10万円、これとは別にボーナス時に30万円返せるとすれば、3550万円まで借りることができます。

返せる金額から借りられる金額が分かる

(金利3%、30年返済で借りる場合の借入可能額)

毎月返済額
5万円 10万円 15万円 20万円
ボーナス時
加算額
0万円 1180万円 2370万円 3550万円 4740万円
10万円 1570万円 2760万円 3940万円 5130万円
20万円 1960万円 3150万円 4330万円 5520万円
30万円 2360万円 3550万円 4730万円 5920万円
40万円 2750万円 3940万円 5120万円 6310万円

■「返せる額」から「借りられる額」を計算

借りられる額がわかったら、その金額が価格の8割になるよう逆算すると「買える額」が計算できます。例えば借りられる額が3550万円なら、[3550÷0.8]=約4437万円のマンションが買える計算です。同様に2370万円借りられる場合は、買える額を逆算すると約2962万円ということになります。

年収から借りられる金額が分かる

金利3%、30年返済で借りる場合の借入可能額)

年収負担率
15% 20% 25% 30%
年収 400万円 1180万円 1570万円 1970万円 2370万円
600万円 1770万円 2370万円 2960万円 3550万円
800万円 2370万円 3160万円 3950万円 4740万円
1000万円 2960万円 3950万円 4940万円 5920万円
1200万円 3550万円 4740万円 5920万円 7110万円

■「借りられる額」から「買える額」を計算

もうひとつは年収から求める方法です。銀行では年収に占める年間返済額の割合(年収負担率)を30%程度までに制限しているケースが多いのですが、できれば20%以内が理想的です。たとえば年収600万円で年収負担率20%とすると、借りられる額は2370万円です。

上の2つの表を元に、借りられる額から買える額を計算したものが以下の目安表です。

年収から借りられる金額が分かる

(金利3%、30年返済で借りる場合の借入可能額)

年収負担率
15% 20% 25% 30%
年収 400万円 1180万円 1570万円 1970万円 2370万円
600万円 1770万円 2370万円 2960万円 3550万円
800万円 2370万円 3160万円 3950万円 4740万円
1000万円 2960万円 3950万円 4940万円 5920万円
1200万円 3550万円 4740万円 5920万円 7110万円